大学生の洋楽紹介(No.3) Stone Temple Pilots「Core」

 この前、Stone Temple Pilotsに関するエッセイをnoteで書いた。

note.com

 その時では、2ndの「Purpe」を推したが、今回は1stの「Core」をおススメしたい。なんてぬるいこと言ったってつまんない。

ストテン・トリップのススメ

 ストテン・トリップしたことがない?そもそもそれなんだって?

 説明しよう。

 

1.暑い日を準備する。太陽が嫌というほど差し込む日だとなお良い。

2.効いているか効いていいないか微妙なくらいの冷房のついた部屋を用意する。座るための椅子が必要。ビーズクッションがおすすめ。

3.部屋の中から外を眺める。「暑そー」って思う。

4.Stone Temple Pilotsを聴く。今回は「Core」を聴こう。

5.ぬるい部屋で段々と意識が朦朧としてくる。

6.目の前にボーカルのスコット・ウェイランドが現れてくる。キミに向かって歌っている。

 

 これがストテン・トリップ。僕はよくする。夏の風物詩。かれこれ数年はストテン・トリップで気持ちよくなっているよ。

 Stone Temple Pilotsが奏でる重いグランジサウンドを耳にはめ、妖艶なボーカルに包まれる。そんなことをしているうちに、気づけば自分の世界の境界線が分からなくなる。それには暑さが必要ではあるが、1stアルバム「Core」や2ndアルバム「Core」は、それを用意に実現する効果がある。

 Stone Temple PilotsはMTVで売れたバンドであるからなのか、なかなか下にみられているような気がする。自分は2002年生まれであり、リアルタイムでこのバンドを知っているわけではないのもが、このバンドを下にみるようなことはない。僕にとって、グランジと言われたらNirvanaの次にこのバンドを想像する。

 このバンドの良さは何といってもスコット・ウェイランドのボーカルである。彼のボーカルにはある種の「危うさ」をはらんでいる。彼は、ドラッグにまみれ、2015年に自殺した。彼の苦悩が「危うさ」として色濃く声に現れている。すごく大きくてパンパンに膨れ上がった綺麗な赤色の風船のようなイメージだ。少しつついたらバンッって破裂してしまう。でも、どことなく美しい。風船は太陽の光を浴び、熱せられて膨らむ。いつ破裂するのか分からなくて、聴いている方はドキドキする。そんなうちに、自分のいる世界が分からなくなる。そして、スコットが目の前に現れる。

 そんなつもりで「Core」を聴いてほしい。ストテン・トリップをしてみてくれ。12曲全てでできるだろう。

 個人的に好きな曲は7曲目の「Creep」である。この色気のあるイントロが好きで、よくギターで弾いている。僕にとって「Creep」という曲は、Radioheadの曲より断然こっちである(いや、Radioheadも大好きだけれど)。

 9曲目の「Plush」はこのアルバムを代表する曲だろう。ここまで聴いていれば、大体ストテン・トリップできるよね。

 

終わり

 最近暑い。僕の部屋なんか帰ってきたら温度計が40℃になっているし、エアコンはちゃんと効かないし、酷い有様である。でも、ストテン・トリップするしいいか、の気分で毎日頑張っている。ここまで暑いと、多分、他のアーティストでも簡単にトリップできそうだ。探してみよう新たなトリップを。